米田産婦人科

院長よりメッセージ

お母さん、赤ちゃんの健康をはじめ、女性のトータルヘルスケアのためにもと、院長がわかりやすく病気や検査に関するコラムを連載しております。

赤ちゃんの細菌性髄膜炎の予防のために
ヒブワクチン(インフルエンザ菌)、プリベナー(肺炎球菌ワクチン)について

元気に生まれた赤ちゃんが、その後に細菌性髄膜炎に羅患し重い後遺症をのこす原因菌として、生直後にはGBS(B群溶連菌)、その後5歳ぐらいまでインフルエンザ菌b型(ヒブ)と肺炎球菌があります。
GBSについては分娩前にお母さんの膣分泌物を検査し、GBSがある場合は陣痛発来時に抗生物質を点滴することにより予防ができるといわれています。当院でも、GBS陽性のお母さんには分娩入院の際に、赤ちゃんが生まれるまでに抗生物質の点滴を行っています。

出生直後の赤ちゃんはお母さんから移行した抗体を保持していますが、これらの抗体は数ヶ月後には消失します。免疫学的に非常に未熟でかつお母さんからの移行抗体が消失する生後3ヵ月から2歳ぐらいまでにインフルエザ菌や肺炎球菌に感染すると髄膜炎のような重症感染症を惹起する可能性があります。そのため、乳幼児に対してはワクチンによる予防が大切になっていきます。

2008年にヒブワクチンが、2010年2月に肺炎球菌ワクチン(プリベナー)が認可され使用できるようになっています。この2つのワクチンを接種すれば細菌性髄膜炎の8割が予防できるといわれており、早期の接種が望ましいといわれています。接種時期は生後2〜6ヶ月で、合計4本接種するのが基本となっています。ただし公費の助成制度が望まれますが、現在のところないため、4回づつ接種すると6〜7万円前後の費用がかかります。また接種時期はBCGや3種混合ワクチン(DPT)などの時期と重なるために、接種方法の工夫が必要です。

当院でも、赤ちゃんの予防接種については分娩入院の退院時に詳細に説明を行っています。
当院ホームページの予防接種のスケジュールを参考にしてください。元気に生まれた赤ちゃんの髄膜炎の予防のためヒブワクチン、プリべナーの接種をお勧めします。


子宮頸がんワクチン予防接種について
昨年末に、子宮頸がんを予防するワクチンが認可発売されました。
がんを予防するワクチンとしては初めてのもので、ワクチン接種により子宮頸がんの発症を予防できることが期待されています。
しかしながら、接種される方は少なく、まだ一般にはワクチンの存在すら知らない方が多いのが実情です。

子宮頸がんは、がんによる死亡原因の第3位で、特に20代から30代の女性においては発症するがんの中では第1位となっており、毎年15000人が子宮頸がんと診断されています。
その原因については、近年ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染によるものとわかってきました。HPVは主に性交渉により感染し、すべての女性の80%が一生に1度は感染しているものといわれています。このため、性行動のあるすべての女性が子宮頸がんになる可能性を持っています。
HPVには100種類以上の型が報告され、その中の一部(高リスク型)が子宮頸がんを引き起こします。昨年末にその高リスクの一部の型に対してのワクチンが認可されました(すでに100カ国以上で使用されている)。このワクチンの接種により子宮頸がんの60-70%が予防できるといわれています。第1に接種の対象は11〜14歳の女児です。第2に15〜45歳の女性です。このワクチンで全ての子宮頸がんが予防できるわけではありませんが、1次予防としてワクチンの接種を行い、そして2次予防としてがん検診を定期的に行うことにより、子宮頸がんで亡くなる方がいなくなることが期待されています。ただ、このワクチンは6ヶ月の間に3回接種しますが、約5万円の費用がかかり、そのため諸外国では公費負担の下で接種されており、日本においても何らかの公的補助が望まれています。


⇒ 詳細はこちらをご覧ください。


ブライダルチェック
 最近、結婚年齢の高齢化、それに伴う初回妊娠の高齢化のため、妊娠で初診された方に、子宮筋腫、卵巣腫瘍などの、妊娠時には治療しにくく、また異常妊娠や異常分娩を起こしやすい病気をよく見かけます。これらの疾病は妊娠をする前に婦人科で一度検診をしていれば、診断が可能で、容易に治療(主に手術)を行うことができます。
 最近では、腹腔鏡による手術がよく用いられ、短期の入院、少ない侵襲で、手術を終えることができます。
 妊娠を計画する際は、是非、婦人科でチェックを受けることをお勧めします。
 また、日常“ブライダルチェック”と言われている血液検査(風疹抗体、B型、C型肝炎)や、膣分泌物検査(クラミジアなど)子宮癌検診なども、必要に応じて行えばよいと考えます。
 妊娠したときに、良好な婦人科医との関係を築くためにも妊娠前に一度婦人科で受診することをお勧めします。当院では、いつでも検診を受け入れています。気軽にご相談ください。


葉酸と妊婦
 葉酸はすべての食物、特に、緑黄色野菜に多く含まれる、成長には欠かせないビタミンB群の一種です。細胞分裂や成長、DNAの形成と特に関わりがあるとされています。特に細胞分裂を活発に行い、成長をし続けていく胎児にとっては必要不可欠なビタミンです。欧米諸国では以前より、葉酸不足が児の神経管閉鎖障害(二分脊椎、髄膜瘤など)を起こしやすいことがよく知られており、妊娠前より葉酸の摂取が勧められてきました。
 最近、厚生労働省も、妊娠予定のある女性は、妊娠一ヶ月前より一日400マイクログラム(0.4mg)摂取することが望ましいと勧告しています。
 これから妊娠予定されている方は、葉酸を含んだ食物を摂るように心がけてください。
 なお、葉酸を含んだ食物には、ほうれん草、春菊、ブロッコリーなどの緑黄色野菜やいちごなどの果物、納豆、大豆などに多く含まれています。

葉酸の多い食品
大豆(乾)26g(1/5カップ) 60μg
納豆50g(中1パック) 60μg
からし菜(葉がらし)50g(1本) 155μg
グリーンアスパラガス60g(3本) 114μg
春菊60g(3株) 114μg
なばな(菜の花)40g(2本) 136μg
ブロッコリー50g(2房) 105μg
ほうれん草60g(2〜3株) 126μg
ぜんまい50g(5株) 105μg
いちご150g(5株) 136μg
パッションフルーツ(果汁)200g  172μg


GBS感染
 GBSとは、B群溶連菌と呼ばれるもので、健康な妊婦さんの10%程度に常在菌として存在すると言われています。膣内の自浄作用が低下すると、好ましくない菌が繁殖します。その一つがGBSです。
 GBSが繁殖すると、子宮収縮を起こすプロスタグランディンという物質が作られるため、早産や前期破水を起こしたり、新生児感染症を併発することがあります。
 お産を通じて赤ちゃんに感染すると、急性の場合は生後間もなく赤ちゃんが肺炎や髄膜炎などを起こし、適切な処理が遅れると、深刻な事態が引き起こされる場合もあります。
 当院では、妊娠36週に膣分泌物検査を行い、陽性例については治療を行っています。しかし感染しても必ず早産や前期破水につながるわけではないので、おなかの張りや出血などの症状がなければ、心配はいりません。


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